星詠亭奇談第三部
Third Stories

0.そはうつろいたる導火線の如し
ルーンが復活させし力
――騎神
神那が追い求めしもの
――月
秘匿され、ふるうことを許されぬもの
――姫神
そこから逃げ出した、許されざる物が造りし世界
――ティス
それが保護し、守り慈しもうとしたもの
――人間
世界を変革したもの
――人間以上の者達
それを滅ぼさんとするもの
――器神
上古よりの使者
――器神
何処かへと消え去ったもの
――器神
大国を操りしもの
――器神
歪んでしまったもの
――器神
――器神
――器神





ティスは消滅し、そしてルーンは変わった。
相変わらず皇国との間に緊張感を漂わせながらも、その国内を恐ろしい勢いで変革していった。
そして、騎士団の解散。だが、その令を受け取りに城に出向いた者の中で、帰った者は一人も、いない。
次々と強化される錬金術師(ウェイナー)への規制。そして増大する錬金術師(アルケミスト)。
だが、そんな戦力をそぐ行動にも関わらず、アーミテイツは泰然として何も動かなかった。不気味な状況に、用心を重ねているのか、それとも何か知っていて、動けないのか。いずれにせよ国境地帯の装備を厳重にしたまま、一歩たりとも打って出る気配はない。
そして、ミスカル王国は相変わらずの中立を保っている。神那も同じ。だが、神那の沈黙はなにか思わしげな雰囲気を漂わし、月姫の情報網は活発化している。
フィーラ――中立都市群。辺境への窓口。
これらの都市はあいかわらずの雑然とした日々の営みを抱えている。都市群としての公的な行動も、10年前のルーン・アーミテイツ合同でのティス討伐を通して以来、なにもない。
それでも、その裏では様々な者がうごめいている。
絶対なる意志の元の変革は、すでに始まっているのだ。
それを操るもの、阻止する者達はまだ表には…‥いない。

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